適応障害の人との状況別接し方

適応障害がどういったものかを知らなければ、どのように接すればいいのかは理解できません。

また、適応障害というのは誰でもかかり得る症候群であり、誰でも加害者(あるいはきっかけを作った人・状況)になりうる症候群です。

そして、間の悪いことに何が原因となったのかということが非常に解り辛いものです。

ですがどちらかといえば、適応障害になった人の方がその原因をある程度理解しており、加害者(きっかけを作った人や状況)の方がその原因を理解できていないことが多いです。

もしあなたの周りに適応障害になった人がいるのなら、その人の性格や本質を理解することで正しい接し方をすることができるようになります。

まずはその人の今の行動を見るのではなく、その人の『本来の』性格や考え方、ものの捉え方を理解しましょう。



「真面目な人」「自分を律することができる人」「自分の考えをキチンと表現する人」

こういった人は、程度の多少はありますが責任感の強い人であることが多いです。裏を返せば、

「融通がきかない人」「頑固者」「自分の意見を押し付ける」

など、社会的に敬遠されがちな人も含まれることがあります。

共通する点は「自分の発言に責任とプレッシャーを感じている」という点です。

「優しい人」「マメな人」「面白い人」

こういった人は、自分以外の人に対してとても遠慮しているという場合があります。裏を返せば、

「臆病な人」「失敗を恐れる人」「他人の評価を気にする人」

など、一見すると根暗なイメージや心配性なイメージを持たれる人も含まれることがあります。

共通する点は「他人と関わりを持つことに多少なりの恐れがある」という点です。

上記の例はすべての人にあてはまることではありません。

例えば、自分の中で自分の性格を昇華させて行動している人、自分の行動を心地よいと感じているなどです。

あくまで適応障害になった人の「性格」や「本質」に目を向けてください。

適応障害になったあとの行動でも見えることがありますが、適応障害の症状の中には自分の精神にカーテンをかけることで、不適当な行動をしてしまうという症状もありますので、適応障害後の行動は参考にならない場合があります。

以上の点を踏まえた上で次の項目へお進み下さい。


家族・友人編

適応障害になった家族や友人がいらっしゃる方は、その人がどういう人だったのかを考えてみてください。

「明るい人」⇒でも、深刻な体験や話をすることがあった

「面白い人」⇒でも、無理やりテンションを上げている感じだった

「優しい人」⇒でも、いつも遠慮している様子があった

どの場合でも共通することですが、「以前のあなたみたいになろうよ!」などとは決して言わないようにしましょう。

たとえ理由がわからなくても、『頑張れ!』の言葉を使ってはいけません。

頑張れという言葉は、無理をしてでもという言葉が含まれている言葉です。

頑張って我慢した結果、適応障害になったのですから、頑張れという励ましの言葉はナンセンス以外の何物でもありません。

「何か原因があったの?」という質問もダメです。責任感のある人ならば「大丈夫。何もないよ。」というような回答をしてしまうでしょうし、優しい人なら「答えたくない(迷惑をかけるから)」という回答をしてしまうかもしれません。理由はなんとなくわかりますよね??

一番良いのが「のんびりが一番!気兼ねなく接してね♪」の雰囲気を伝えることです。

安心感と信頼を築くのはこの方法が一番です。

職場編

職場での適応障害の方との接し方は特に注意しましょう。なぜなら、あなた自身が仕事の責任でピリピリしているからです。つまり知らず知らずのうちに相手を傷つける言葉や行動をしていることがあるからです。

「真面目な人」⇒でも、融通が利かない人だった

「マメな人」⇒でも、失敗をすると深く落ち込んでいた

「責任感の強い人」⇒でも、いつも無理をしていた

あなたが上司で部下の成績があきらかに落ちてきたと感じた場合は、励ましたり悩みを聞いたりすると思います。それでも状況が改善されない場合は、職場の状況や仕事内容などの見直しをする必要もあります。

あなたの同僚に適応障害の方がいる場合は、上司に相談しましょう。

いきなり解雇や自主退職をせまる会社もありますが、会社や企業側に適応障害の責任があるのなら違法行為にあたります。

一番良いのが産業医への相談です。

素人判断で励ましたりせずに、専門家に診てもらうのが一番確実です。また職場不適応障害が認められる場合は、診断書を作成してもらい、医師を介して休職を促すことも有効です。

その他、家族・友人編にも共通することが多いので、目を通してください。

あなたは加害者になっていませんか?

自分で判断することもしないし頼ってばかりいる。「なんでそんなこともできないんだ!」そう怒鳴っているあなたが適応障害の人を生み出した可能性があります。

「そんなことはない!社会常識がないあいつが悪い」と思われた方はいらっしゃいますか?

適応障害の症状には精神状態が通常とは異なるほどの圧迫を受けることにより、一時的にマヒ状態にする症状があります。これはストレスから身を守る方法のひとつですが、これは社会的に不相応な行動を起こさせる症状でもあります。

あなたが積み重なるストレスを与えたため、徐々に判断することができなくなったというのが理由かもしれません。

あなたが「間違っていない!」と断言できる行為であっても、その伝え方や接し方は絶対的に正しいとは言えません。人によってはとてもなく辛い状況かもしれません。

適応障害の人は自分を責める人もいます。

適応障害の人はその原因を人に話そうとはしません。

「自分の行動が周囲に迷惑をかけている」と思っている(あるいは思い込んでいる)人は、そのことを公にしたくはないと考える人も多くいます。

そうなると、周囲から理解してもらえず「あいつは社会的に不相応な行動をしている!」というレッテルを貼られてしまいます。

つまり周囲との人間関係の乖離がはじまるのです。

自分が悪いと思い込んでいるにも関わらず、その状況に対応する方法がわからないことで、さらに周囲との距離が離れる行動をしてしまうという負のスパイラルです。

適応障害になる状況は人それぞれです。それぞれに克服方法が違いますので、できるだけ専門医に見てもらうようにしましょう。


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